高齢者の話の聞き方のコツは?

高齢者の話を聞く際には、丁寧さや敬意を示すことが最も重要です。認知症を患っている方などは、話の内容がかみ合わなかったり、明らかに間違ったことを言ったりすることがあるものです。しかし、そうだとしても「それは違う」と毎回否定しないことや、誤解されている状況でも怒ることなく会話を和やかに進めることが大切です。つじつまが合わない話となっても、自尊心を傷つけることがないよう配慮しましょう。

高齢者のペースにこちらが合わせて聞くということも重要なポイントです。こちらが質問しても、高齢者の場合すぐに答えられないこともあります。ゆっくりと答えを考えたり、記憶を思い出したりしていますので、その時間を大切にして待ってあげるようにしましょう。テンポの良い会話をしたいという気持ちがあるとしても、焦ることなく言葉が出てくるのを辛抱することで楽しい会話ができるようになります。

高齢者が話をしている時には、しっかりと聴いていますという態度を示すことが必要です。たとえば、目を合わせて大きめにうなずいたり、声に出して相槌を打ったりします。さらに、その話をふくらませるような質問をしていくのも良いでしょう。逆に、話をしている時に「それは何回も聞いた」とか「そんなことはない」とさえぎったり、自分の意見を述べるために割って入ったりすることがないよう注意が必要です。

より深い気持ちや考えが出せるように、自分は良い聞き手になるという気持ちでいるとうまくできます。こうした聞き方ができると、高齢者も気分よく会話に乗ってくれるでしょう。認知症の方とのコミュニケーションでは、バリデーション療法という手法も有効とされており、相手の感情や体験を受け入れ、共感する姿勢が信頼関係の構築につながります。